実はこんなに差があった?〜鑑定書と鑑別書の違い〜

      2016/09/26


鑑定書と聞くと、ジュエリーの他にダイヤモンドを頭に浮かべる方が多いのではないでしょうか。
では鑑別書は?どっちも一緒じゃないの?
本日は、そんなお客様の疑問を解決して参りたいと想います。


鑑定書と鑑別書の違い



個別の紹介の前に、まずは大きく2つを比べてみましょう。

鑑定書はダイヤモンドのみに発行されている、品質証明書のことを言います。
鑑別書は宝石が天然石なのか、人工石なのかを証明するものになっています。

名前こそよく似ていますが、中身は大きく違います。
大きく分かりやすい特徴といえば、鑑定書はダイヤモンドのみ。鑑別書は使われている宝石の詳細について。といった2つの違いがあります。

鑑定書


鑑定書は、先程もご紹介しましたが、ダイヤモンドを購入した際などについてくるものです。
この鑑定書はダイヤモンドのみに発行されます。
ではダイヤモンドのなんの鑑定なのか?それは『4C』と言われるものに関係します。

4C

皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
4Cはカットされたダイヤモンドの品質のことで、色(カラー color)、透明度(クラリティ clarity)、重さ(カラット carat)、研磨(カット cut)この4つの頭文字を取って”4C”と呼ばれます。

色(カラー color)

無色に近い物がより品質が良いものです。黄色がかると品質は落ちていくと言われています。
ダイヤモンドにも様々なカラーがあるので、必ずしも全てのダイヤモンドが無色透明というわけではありません。
ピンクダイヤモンド、ブルーダイヤモンドといったように、希少な色のダイヤモンドは例外で、高く評価されることもあります。

色味はアルファベットで表記されることが多く、最高はD、以下E、F、G〜Zまでといった23段階に分けられています。

表記 色味
DEF 無色透明
GHI ほぼ無色
KLM かすかな黄色
N〜R 非常に薄い黄色
S〜Z 薄い黄色

透明度(クラリティ clarity)

ダイヤの透明度には欠かせない、インクルージョンの鑑定にあたる部分です。

インクルージョン

インクルージョンとは、内包物と呼ばれるもので、宝石の内部に入っている液体や固体などの物質のことをいいます。
これが少なければ少ないほど高品質のダイヤモンドと判定されます。

こちらも色味と同様に、アルファベットで表記されます。
最高は「FL(Flawless)」、以下「IF(Internally Flawless)」・「VVS(Very Very Slightly)」・「VS(Very Slightly)」・「SI(Slightly Included)」・「I(Imperfection)」などの全部で11段階に分けられています。

表記 結果
FL 10倍に拡大しても内部・外部ともに内包物が確認できない
IF 外部には微細なキズがあるが内部には10倍に拡大しても内包物が確認できない
VVS 10倍の拡大では、内包物の発見が非常に困難である状態
VS 10倍の拡大では、内包物の発見が困難である状態
SI 10倍の拡大では内包物の発見が比較的容易。しかし肉眼では困難な状態
I 内包物が肉眼で容易に発見可能な状態

重さ(カラット carat)

カラットと聞くと、多くの方がダイヤモンドの大きさを浮かべるのではないでしょうか。
実はこのカラット、石の大きさではなく、石の重量を表します。(1ctは0.2gとされています)

研磨(カット cut)

人の手が加わる部分です。
ラウンドブリリアントカットの場合にのみ評価がなされます。
プロポーション(形)、フィニッシュ(仕上げ)が評価の対象になり、「EXCELLENT(EX)」を最高位に、以下「VERY GOOD(VG)」「GOOD(G)」「FAIR(F)」「POOR(P)」までの5段階で表記されます。

表記 ランク (上位:1〜5:下位)
EXCELLENT(EX) 1
VERY GOOD(VG) 2
GOOD(G) 3
FAIR(F) 4
POOR(P) 5

このように4Cの基準に基づいてダイヤモンドをランク分けした結果のことをいいます。
ダイヤモンドの品質について書かれたもの、それが鑑定書です。

鑑別書

鑑別書は、宝石のサイズ・形の他に、それが天然のものか、人工のものかを記したものです。
こちらはどんな種類の石でも発行可能で、ダイヤモンドでももちろん発行できます。
記載される内容としましては、

・宝石が天然石か、あるいは人工石かを判別し、人工処理が施されている場合にはどのような処理かが記入されます。

・宝石の分析が記載されます。
硬度・屈折率・多色性などが測定され、サイズ・カット・重量等が記載されます。

鑑別書が鑑定書と大きく違うのは、宝石の品質・評価・価値・産地などを記載するものではないという点です。
鑑別書はあくまでもその石がどういう石でどういう処理がされているかなどを記載するものです。

最後に

最後に2つの違いを大きく並べると、

鑑定書

・ダイヤモンドにしか発行されない
・ダイヤモンドの品質について記載されている

鑑別書

・ダイヤモンドでもダイヤモンドでなくとも発行可能
(ルビーやエメラルドなど)
・品質の記載があるわけではない

いかがでしたでしょうか。
名前はとても似ていますが、こんなにも大きな違いがあります。
もしお客様が、これからダイヤや宝石を見る際に、ふと想い出して頂いて少しでもお役に立てたら幸いでございます。

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